こどもとわたしの日々(2)初陣
これは、出産時の話。
子供を産むのは初めてのわたし。
誰でも初めてだと思いますが、巨大な敵に立ち向かっていくあの感覚。
もしかしたらこのまま死ぬんじゃないかと思うあの感覚。
殺されるんならいっその事戦ってやるっていうあの感覚。
懐かしい。
時は出産予定日の前々日。
陣痛っていうのを味わった事がない(第一子なので当たり前ですが)ので
「んんんんん…?これか?この腰の痛みとかそうか?」
なんて考えて前もって用意してあった入院グッズを携えて病院へ向かった。
その日はとりあえず子宮口も開いてないってんで返された。
その日の晩、「んーーーー、なんかつらい」と言いまた病院へ。
とりあえず泊まっていく?と言われて入院する事に。
次の日も子宮口開かず。
主治医からは「どうする?予定日今日だけど、今日産みたいよね?というか今日だよね。そうよね!」
と言われ陣痛促進剤を打つことになった。
どうやら私は陣痛を人工的に起こさないと起きないタイプのようだった。
(実母も同じ理由で促進剤を使った人)
完全に子宮口が開かないままぼけーっとしてた。
友人からは「ポン!」って音がして破水するんだよって聞かされていた。
読み漁った本にも同じような事が書いてあった。
自分はと言うと、ポンともいわず。破水も良くわからず。
とりあえず体がしんどくなってきたのだけは分かった。
なんか、戦いたいっていう気持ちが湧いてきた。
主治医が様子を見に来た時に「もう産んじゃいたいんだけどだめですか?」
と聞いてみた。
確認したら子宮口全開。
あらー、じゃあこのまま産んじゃおう。
となってあれよあれよという間にスタンバイ完了。
腹部の違和感が半端なくて、さっさと生んでしまいたくて、ひっひっふーも無視してこんな感じか?こんな感じか?こんなかんじだなコノヤロー!とシュミレートしながら体に力を入れたり逃したり。
ちょうど夕方でナースさんたちが交代の時間だったらしくギャラリーが増えていた。
いきんじゃだめー!という言葉を聞いて、「俺の生きざまよく見ておけ!」と何故か思っていきんだ。
そんなこんなで破水?からものの1時間で出産に至った。
「ちょいまち。あなた本当に初産なの?ベテランかよ!」
と言われたほどスポーン!と生まれた。
オゲフィンなのであまりこの表現はどうかと思いますが、
巨大なうん○を出したようなそんな開放感でいっぱいだった。
なんだ、出産とか楽勝じゃん!と、勝利の気分に満ち溢れ、そのまま意識を失った。
※全身麻酔されていました。
目が覚めると夜になっていた。
ものすごい体が重くてだるくて。
うおおお…この体で子育てするのか…ハードモードだな。
と考えていた。
横を見たら小さくてモグラの子みたいなふにふにした生物が寝ていた。
あんまり生んだ実感が湧かなかった。
これが生まれたての赤ちゃんか。
自分の子供なのに恐る恐る触る。
ふにゃふにゃしていた。
出産って、もっとこう…わーーー!おめでとう!ありがとう!感動の涙!みたいな感じなんだろうかと思っていましたが、気力・体力勝負だし、誰かが言っていましたが出産はフルマラソン走るくらいの体力を消耗するっていうのは本当なんだなーと思いました。
まあ私としてはこの後がもっとフルマラソンというかトレイルランの連続というか。
私の人生ハードモード。