とうふ、おいしいね。

世間の荒波でサーフィンできるようになりたい。

自分の命を差し置いてまで大事な用事ってあるのかな(1)

最近離婚をした。

状況が状況なだけに、人によっては夫を見殺しにしたと言われても仕方がない。当の本人もそう思っているだけに罪が深いし業も深いと思う。

誰かに状況を話して同情を引きたいわけでもなんでもない。

自分の心を守るために離婚した。たったそれだけの理由。

誰かに大丈夫だよって言ってもらったり悩みを聞いてもらったり救いの手があったのならIFだったられば。とめどない。
最終的にはお互いを尊重しあう形で「これでいいのだ」となったが全く後悔していないわけではない。だからといって戻るわけではない。戻れないし戻りたくない。

子供には父親を奪った母親になるんだろうか。
世間的にはオヤハガマンスベキ論調なのだろうけれど、我慢しきれなくなったらどうなるんだろうか。その先の事まで分かるんだろうか。その先に待っているものは幸せな未来なのか不幸な未来なのか。ガマンシタサキニハシアワセガマッテルって本当だろうか。にわかに信じがたい。

 

そんなこんなで私は末期がん患者である夫を夫の実家に託して離婚しました。

本来ならばもっと早い段階、決して遠くない未来にはたどっていた結果が今です。

子煩悩で子もパパが大好き。

そんな二人を引き離しました。

 

まだ全員が元気だった頃、細かい喧嘩はしょっちゅうありました。
メインは車を貸してくれないという理由から。
(車でイヤホンしたり居眠りしたりぶつけてきたり側溝に落ちる前科があるので貸したくなかった)
それでも夫の事は愛していましたし、幸せだったと思います本当に。
多分、普通に幸せな家族だったと思います。



逃亡癖がある夫は事あるごと(主に言争いの喧嘩)に行方不明になりました。
結婚してから働くと言っていたのにやっと就職した会社を数か月でやめ、ニートののちに学生になりました。
働いてお金を稼ぐことが嫌いと言う割に散財をする夫。
義父母に相談するも、「お金に不自由させたくない」という理由で夫にお小遣い。
明日のミルク代や衣食住に頭を悩ませている時に電気ストーブをガンガンつけて自分の部屋に引きこもる夫。
体がそんなに丈夫ではない自分はしょっちゅう倒れていた。
医者から産後だから無理させないようにという忠告も無視。
結果的に若年性更年期になりましたがそれはまた別の話で。


私の現状をみかねた友人たちや親族から「別れなさい、いまなら傷も浅くて済む」と言われて、家族を守りたいと何故か正義感に燃えて次々と距離を置いた。
それが正しかったのか正しくなかったのかは分からないけれど、家族を持つって責任を持つことなんじゃないかと自分で結論を出したので後悔はしていない。
離婚時には「そらみたことか」と一言も言わずにアドバイスをくれた友人たちには頭が上がらない。


夫は子供は大好きなのでたまに面倒をみてくれていた。
子供がある程度大きくなるまでは外で働かないでほしい(ドヤッ)という夫。
どないせーっちゅうんじゃ!と思いつつも在宅仕事で細々と食いつなぐ毎日。

そんな日々を過ごしている間に私が精神的にやられる事案が発生。
私が本格的に鬱になり、泣く姿を見て面倒くさくなったのかアルバイトを始めた夫。
息子に無理させないで欲しいと義父母から連絡。小遣いやるの止めてほしい、援助は見守るとかアドバイスとかでと言うも、「私たちは息子にお金で不自由させたくない」と一蹴されて私涙目。
少しずつ回復してまた仕事を始めた私。
このままじゃ子供にお金を残せないと思いアルバイトも掛け持ちした。
家事をもっと手伝うか仕事するなりして家にお金を入れられるようになんとかしろと夫に訴える私。
家事は適材適所だと言い、アルバイトと掛け持ちで何やら家でできる仕事を始めた夫。
当然家事はやらない。
このころから体の不調を少しずつ訴えてくる。
病院へ行こうと勧めるも、何かに取り憑かれたかのように断固として行かない。
そんなこんなでメリークリスマス!行方不明に。
バイトは無断欠勤。仕事も大穴があき始めていた。

連絡は取れない。
そんなこんなでやっと少し連絡が取れてバイトを辞める意思を聞いたので、バイト先には辞める旨を連絡するも半ば脅されたり罵倒されたり数度電話がかかってきては罵倒される日々。仕事先には謝罪に。わたしはなにをやってるんだ。

 

夫は座れなくなる、眠れなくなる、歩行に激痛を伴う日々。
自転車での事故。
からの原付での自損事故。

救急車で運ばれ、検査をしてもらうも異常なし。
その割には鎮痛剤も効かない。
おかしいと思い、嫌がる夫を引っ張り出して再検査を依頼。
検査結果はがんセンターへの紹介状。

 

信じたくないが現実がフルスイングで頭を打ち付けてきた。
夫は末期がん患者になってしまった。

 

(つづきます)